日本相撲協会は8日に開いた緊急理事会で、ロシア出身力士の一連の大麻問題で北の湖理事長が辞任した。後任には、理事の互選で武蔵川理事が選出された。
また、精密検査で大麻の陽性反応が確定した幕内の露鵬(大嶽部屋)と十両の白露山(北の湖部屋)の兄弟力士は、いずれも解雇処分となった。
露鵬の師匠、大嶽親方(元関脇・貴闘力)は、委員から年寄へ降格処分を受けた。
ついに、北の湖理事長が辞任したが、辞任まではすんなりとは行かなかったようだ。
北の湖理事長は「弟子の言葉を大事にしたい」と両力士を擁護し、自らの進退については「事実が明らかになるまで1年間でも休養する。その間、(理事長)代行を置いてほしい」と要望し、留任の意向を示した。
だが、席上、出席者から、露鵬による検討委での「告白」を知らされると翻意して辞意を表明したという経緯もある。
また、北の湖親方は、理事長は辞任するが、理事としては残ることも決まった。
昨年の弟子への暴行事件から始まり、朝青龍問題など数多くの問題が露天してきた日本相撲協会は、今回の大麻事件でもぬるま湯の体質を替えることはなく、理事長の変更のみで決着が付いた。
しかし、武蔵川新理事長は横綱武蔵丸と、出島、武双山、雅山の3大関を育てるなど弟子の育成には定評があり、2002年に理事に就任し、現在4期目。この間、巡業部長や事業部長を歴任し、キレ者で決断力もあると評される。その新理事長武蔵川親方の手腕に期待したい。
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